17-03;漢方
漢方医学;漢代から三国六朝時代に完成された中国医学から発展した日本の伝統医学(中国医学は 中薬処方)
生薬
- 広く天然(植物、動物、鉱物)に由来する薬物 90%は輸入品
- 日本薬局方には約200品目が収載
- アーユルヴェーダ薬物(インド医学)、ユナニー薬物(ギリシャ・アラブ医学)、ヨーロッパ生薬(ハーブ)
- 民間薬とは別;例えばゲンノショウコ(単味)
上品(君薬);人参、甘草、大棗
中品(臣薬);当帰、芍薬、葛根
下品(佐使薬);大黄、附子、半夏
人参
- オタネニンジンの根(菜根を除いた)
- 主要成分;サポニン(およそ30種類のジンセノサイド)
- 腸内細菌による代謝能の違いが効果の差につながる。
- 気虚の改善
黄耆(おうぎ)
蘇葉(そよう)
厚朴
桂皮
黄連
甘草
- ウラルカンゾウの根
- グリチルリチンを含有しており、7割の漢方に含まれる。芍薬甘草湯は甘草の量が6g含まれている。
大棗
地黄
- アカヤジオウまたはカイケイジオウの根
- 修治で 乾地黄 熟地黄
麻黄
当帰
- トウキ(セリ科)またはホッカイトウキの根
- 血虚の改善
川芎(せんきゅう)
葛根
芍薬
- シャクヤクの根
- 瘀血(おけつ)の改善
- 血管平滑筋の緩め(血流の改善)、筋肉の緊張をとる
桃仁(とうにん)
茯苓(ぶくりょう)
白朮(びゃくじつ)
修治
- 附子(ハナトリカブトなどの塊根);塩附子 炮附子、白附子
風邪
葛根湯
- 風邪の初期に適応 実証(生体反応が活発な状態)の方に投薬
桂枝湯
- 風邪の初期に適応 虚証(生体反応が低下した状態)に
- 桂枝;気を巡らし、陽を助け、発汗、解熱する
- 葛根湯から 葛根と麻黄を除いたもの
- 芍薬;主薬の働きを助ける(血を補い痛みを止め収斂する) 大棗;主役の働きを助ける(気を益し胸中を潤す) 甘草;諸薬を調和(痛みを緩和し咳を止め) 生姜;諸薬の過激な部分を抑える(脾胃を温め嘔吐を止め痰を去る)
香蘇散
頭痛
- 片頭痛には呉茱萸湯(ごしゅゆとう)が第一選択。無効時は五苓散。緊張性頭痛には葛根湯、釣藤散を用いる。
- 葛根湯;緊張性頭痛に用いる。頸肩がこり、体格中等度以上で胃腸丈夫な人が対象。
- 釣藤散;胃腸虚弱者、高齢者の緊張性頭痛に用いる。高齢者で早朝目が覚めた時に頭痛があり、起きて動いているといつの間にか頭痛を忘れるという人によく効く。
- 五苓散;重い鈍痛(緊張型頭痛)に効果があることが多いが、雨の前に増悪する頭痛(気圧低下に伴う頭痛)であれば、拍動性の鋭い痛み(片頭痛)に対しても有効で、トリプタン系薬剤の減量を図れる可能性がある(dose-dependent)
更年期
当帰芍薬散
癌
- 補剤を使用;十全大補(たいほ)湯、補中益気湯、人参養栄湯(肺に効く)、当帰芍薬散など
十全大補湯
補中益気湯
アレルギー性皮膚炎
温清飲(うんせいいん);黄連解毒湯と四物湯の合わせ。;遅発性のかゆみに効果
人参湯
補中益気湯
香蘇散
半夏厚朴湯
桂枝人参湯
黄連解毒湯
四物湯(しもつとう)
十全大補湯
当帰芍薬散
桂枝茯苓丸(けいしぶつりょうがん)
真武湯
苓桂朮甘湯(りょうけいじっかんとう)
釣藤散
- 緊張型頭痛や脳血管障害の慢性頭痛に使用される代表的な漢方薬。早朝頭重感、耳鳴り、めまい、動脈硬化
芍薬甘草湯
- こむらがえりを緩解する。発症直後に服用すれば5~10分で改善が見込める。毎晩足がつる場合には2.5g就寝前服用とする。
- 骨格筋だけでなく平滑筋の痙攣性疼痛にも有効で、過敏性腸症候群疝痛型、尿路結石(猪苓湯と併用)、月経痛にも応用できる。慢性の筋肉痛にはほとんど効果がない。
- 芍薬の主成分ペオニフロリンと甘草の成分であるグリチルリチンとのブレンド効果によって、神経筋シナプス遮断作用に基づく筋弛緩効果を現すとされる。
- 甘草含有量が多く、連用時は1~2包/日程度とし、偽性アルドステロン症による低カリウム血症、血圧上昇などに注意しなければならない。高齢者では特に。
大建中湯
- 術後イレウスの予防によく使われる。
- 含まれる乾姜(生姜を蒸したもの)のショウガオールは腸管血流を改善し、山椒のサンショールは蠕動運動を刺激する。
六君子湯
- 機能性胃腸症に対し、NOを介して拡張能を改善することによって胃の蠕動運動を亢進させるが、腸管運動にはあまり作用しない。
清暑益気湯
副作用
- アリストロキア酸によるchinese herbs nephropathyは有名
その他